天体の衝突事故








 広い宇宙空間では天体同士の事故など起こらないと言うのは間違い。地球にも毎日たくさんの流星が降っているが、これは微小天体が地球に衝突しているもので、たまたま途中で燃え尽きているだけのこと。地表に落ちればクレーターができることもあり、世界中にはいくつもの衝突クレーターが存在している。月の表面にあるクレーターのほとんどは小天体(惑星のかけら)が衝突した跡で、水星や火星の表面にも無数のクレーターがある。木星や土星のようなガス惑星では、衝突後まもなく衝突痕が消えてしまうので残らない。彗星の中には太陽から遠く離れているのに突然明るくなるものもあるが、これらも微小惑星との衝突の可能性がある。また、月面でまれに発光現象の目撃例があるが、微惑星の衝突かもしれない。


木星とシューメーカー・レビー第9彗星の衝突跡

 シューメーカー・レビー第9彗星は1993年3月24日に、ユージン・シューメーカー、キャロライン・シューメーカー夫妻とディヴィッド・レヴィ氏によっておとめ座で発見されましたが、この時すでに核が分裂して一列に並んだ状態で見えていました。
 彗星の分裂核は1994年7月16日から7月22日までの間に、相次いで木星に衝突しましたが、これは、惑星と彗星の衝突として人類史上初めての目撃例です。
 衝突は木星の裏側で起こったため、地球から直接見ることはできませんでしたが、衝突痕は地球より大きなものもありました。しかし、この衝突痕も1年後には跡形もなく消えていました。
※木星の下に見える黒斑が衝突痕